kaDON LIVE:「歌舞伎囃子の魅力」

太鼓界の巨匠、望月左武郎氏をお招きし、歌舞伎囃子の魅力と日本の伝統音楽「邦楽」の奥深さを4回シリーズにてお届けします。

歌舞伎音楽は、和太鼓をはじめ、様々な楽器に応用できるリズムやメロディー 、そして理念の宝庫です。例えば歌舞伎舞台の効果音には欠かせない大太鼓。水の音、波の音、山の音等、色々な音の表現方法を学んでみませんか?また、一般的に親しみのある締太鼓に加え、「大小」とも呼ばれる大鼓、小鼓についても学べる貴重なチャンスです。それぞれの音が、三味線や笛が奏でる旋律とどのように調和するのか等についてもお話しいただきます。

現代における和太鼓の始まりと発展に大きな影響を与えた助六太鼓の創立メンバーのお一人である望月氏。邦楽に対する深い知識、伝統音楽を多様な音楽・芸能と融合させてきた幅広い経験、そして太鼓界に対する独特な観点の持ち主です。そんな太鼓界のパイオニアから学べるこの機会を是非お見逃しなく!このシリーズは望月氏の日本語の説明に、お弟子さんのJ.D. アンドラデ(望月武懇)さんによる英訳が付いて進行します。

望月氏の興味深い経歴についてはこちらをクリック。

左武郎先生からのメッセージ

「アメリカや日本で太鼓に携わる方で、日本の歌舞伎囃子、邦楽打楽器に興味をお持ちの方、お集まりください。歌舞伎囃子は、打楽器の宝庫です。色々な楽器との融合が可能です。そして、著作権フリーでどなたでも自由に使えます。ぜひ、歌舞伎囃子を学んで、その中から自分の曲のレパートリーとして取り入れられるものをどんどん取り入れ、自分のオリジナルな曲を作ってください。その、歌舞伎囃子と融合したあなたたちの作曲を私は待っています。

今の歌舞伎も、邦楽も、古いものとお思いでしょうが、いつも進化し続けています。」

-望月左武郎

シリーズ日程

第一回: 日本時間10月28日(木) 午前9時~10時 [大太鼓の章]
第二回: 日本時間11月   4日(木) 午前9時~10時 [締太鼓の章]
第三回: 日本時間11月11日(木) 午前10時~11時* [大小鼓の章]
第四回: 日本時間11月18日(木) 午前10時~11時* [お囃子と三味線の章]

*第三回目と第四回目はアメリカが冬時間に変わる関係でスタート時間が1時間ずれますのでご注意下さい。

 

準備するもの
  • 無理なく座っていられるスペース(床または椅子)
  • 太鼓または打面の代わりになるもの(ドラムパッド、kaDON TimbreTaiko、クッション等)
  • バチ(kaDON TimbreTaikoをお使いの場合は軽くて細めのバチをご使用下さい)
  • 覚え書き用のノート、ペン
  • 飲料水

 

お知らせ
  • 各回1時間の講義終了後、30分程質疑応答の時間を設けています。是非ご参加下さい。
  • ご都合が合わず、ライブ配信の講義に参加できない場合もご心配なく!各回終了後、1~2日以内にアーカイブ視聴用の録画リンクをEメールでお送りします。シリーズ終了後1ヶ月間視聴が可能です。

 

お申し込み方法

kaDONサブスクライバーの方はページ右上のリンクよりログインしてこのページにお戻り下さい。割引価格でお申込み頂けます。kaDONサブスクライバーでない方は以下のボタンをクリックして下さい。お申込み方法はこちらのPDFを参考に進めて下さい。

一般のお申込み

 

望月左武郎プロフィール

和太鼓プロフェッショナルへの道

望月左武郎(本名 石塚由孝)は1947年に東京の湯島に生まれ、小学五年生の時、地元の湯島天神のお盆祭りで初めて太鼓を打つ。その時から太鼓に魅了され、祭りでは子供演奏の時間が過ぎても櫓の柱をバチで打ち続けていたほど。

当時、太鼓は主に地域のお祭りで地元の人が打つもので、本職として太鼓を演奏する人がいなかった。そんな中、高校2年生の時に地元の太鼓コンクールで優勝したことを転機に太鼓芸術に目覚め、プロの和太鼓奏者になることを決意する。

翌年、「和太鼓サークルを作ります」という文言と電話番号だけが書かれた小さな新聞広告を見つける。広告主は自身のダンスショーに取り入れるために太鼓を勉強してきた洋舞ダンサー、真田実だった。すぐに連絡を取り、他4人の和太鼓奏者と共に太鼓を習い始め、公演に向けての稽古に励んだ。これが、新音太鼓というプロ太鼓グループの始まりで、1968年に結成された助六太鼓の前身となる。

アメリカでの演奏と指導

1968年秋、当時の日本人人気歌手、雪村いずみと共演するために助六太鼓のメンバーとカリフォルニアに旅立つ。3ヶ月の滞在中、サンフランシスコのサークル・スター・シアター、ロサンゼルス、ラスベガスのホテル・フラミンゴにて公演ツアーを行い、サンフランシスコ公演を観にきた田中誠一より太鼓の指導依頼を受ける。

ツアー後、助六太鼓のメンバーらとサンフランシスコに戻り、ジャパンセンターの広場で2週間毎日太鼓を練習し、その中で田中誠一への太鼓指導も行う。そこでは太鼓を観るために子供たちが集まり、太鼓に合わせて踊る光景も見られた。アメリカでの経験を経て、「言葉は通じなくても、太鼓のリズムと音は伝わる。人と人との繋がりを豊かにする」と確信した。

古典の世界へ

一方このツアーをきっかけに、太鼓の世界だけにこもるべきではないと考えるようになる。渡米したことで日本文化の良さを再認識し、太鼓を極めるためには邦楽、つまり日本の古典の音楽から学ぶ必要があると感じた。お囃子(邦楽の打楽器と笛のパート)には、太鼓の打ち方や作曲などへのヒントが隠れているはずだと考え、囃子方望月流に弟子入り。1973年に望月左武郎という芸名を許される。助六太鼓に在籍中、「白梅太鼓」など、邦楽独特の拍子の取り方やリズム、掛け声などを取り入れた太鼓の楽曲を作曲している。

元々は邦楽の知識を太鼓に応用するために学び始めた邦楽だったが、この頃には、逆に古典音楽の世界にすっかり魅了されていた。太鼓奏者としての道よりも邦楽を学び、囃子方としての活動に集中するため助六太鼓を脱会。その一方、埼玉県鳩山の子供たちと大人たちに太鼓を教えるため、アマチュア太鼓グループ鳩山鼓韻の会を設立。

以来囃子方として、歌舞伎、日本舞踊、長唄等、現在の日本の伝統芸能において重要な役割を担ってきた。海外でも指導や公演に招かれることが多く、2011年にはスタンフォード大学で開催された北米太鼓カンファレンスにてお弟子さんと共にワークショップと公演を行う。

「古典の音楽だけを追求しないこと。古典音楽の世界だけを見ていると、古典にあぐらをかいてしまい刺激が少なくなるから」というのが演奏家としての信条の一つ。邦楽の要素を太鼓に取り入れようと思い始めたころから今に至るまで、異なる音楽、芸術、そして文化の要素を融合させ、調和させる挑戦をしてきた。これまでに、西洋の弦楽器、ポップス、ラテンダンス、更には最近のJ-ポップまで、様々な芸術と日本の古典音楽との融合に成功してきた。古典音楽の世界で地位を築く傍ら、まだ誰も聞いたことや見たことのない新しいハーモニーを探求し続ける。